交通ビッグデータによる圏央道開通の影響分析を発表
2015年12月2日
株式会社ナビタイムジャパン
交通ビッグデータによる圏央道開通の影響分析を発表
~ビッグデータが明らかにした高速道路のスムーズ化、地域の渋滞緩和、観光の広域化~
株式会社ナビタイムジャパン(代表取締役社長:大西啓介、本社:東京都港区)は、2015年12月2日(水)より、「交通コンサルティング事業」にて分析した交通ビッグデータを用いた、首都圏中央連絡自動車道(圏央道) 桶川北本IC~白岡菖蒲IC間 開通の影響分析結果を発表いたします。
分析結果サイトURL: https://data.navitime.co.jp/example/kenoudo.html
ナビタイムジャパンの「交通コンサルティング事業」では、ナビタイムジャパンの提供するスマートフォン向けカーナビアプリのプローブ交通情報※1や経路検索条件データなどの交通ビッグデータを用いた交通・観光分析を行っています。
本分析では首都圏中央連絡自動車道(圏央道) 桶川北本IC~白岡菖蒲IC間が2015年10月31日(土)に開通したことで、道路交通や観光にどのような影響があったのか、交通ビッグデータを用いて明らかにしています。
●本分析結果の概要
- 東名高速から東北道の移動の90%が圏央道経由となり、所要時間は首都高経由に比べ28分短縮した。
- 圏央道・中央環状線品川線により都心を迂回可能となった。
- 桶川北本ICからの通過交通の流出が解消し、桶川市の一般道の渋滞が緩和した。
- 高尾山への検索が茨城県・栃木県・埼玉県から増加し44%増になるなど、観光圏域が広域化した。
高速道路開通の影響は、都市間の移動だけでなく地域道路の渋滞や、商圏・観光圏域などにも大きく影響します。ナビタイムジャパンの交通ビッグデータは、それらの変化を正確かつ迅速にモニタリングし、素早く次のアクションにつなげるツールとしてお役立ていただけます。
【データイメージ】
東名高速 海老名JCTから東北道 久喜JCTまでの途中の経路を、プローブデータを用いて圏央道開通前後で比較。
その結果、開通前は首都高経由が90%・平均所要時間98分だったところ、開通後は90%が圏央道経由となり、
平均所要時間も70分と28分短縮していることがわかります。
圏央道開通前、一時的に終点となっていた桶川北本ICからは通過交通が桶川市内に流出し、
一般道路の渋滞の要因となっていました。
開通後は、桶川北本ICからの通過交通の流出が減少したことで渋滞が緩和し、坂田交差点までの
所要時間が3分短縮し、坂田交差点の信号通過時間も直進が31秒、右折が67秒短縮していることがわかります。
経路検索条件データと経路検索エンジンを用いて、目的施設ごとの出発地と途中の推定経路の分析を行いました。
その結果、高尾山については、栃木・茨城・埼玉からの検索が増加し、圏央道の開通区間経由の経路が18%
となっていることから、圏央道の開通により観光圏域が北東方面へ広がったと考えられます。